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産後の腰痛/下肢のだるさ

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2025.07.28

皆さん、こんにちは(*^^*)自由が丘鍼灸院はりきゅうkokowaの長嶋です。
先々週あたりから全国的に夏休みに入ったようですね!今まではいなかった時間帯に子ども達の元気な姿を見ます♪
私としては、ついついつられて笑ってしまう赤ちゃんの笑い声が大好きです(*^^*)

さて、本日は産後のお母さんの腰痛についての施術例です。

35歳女性 産後4か月 腰痛/下肢のだるさ

【主訴】
・腰痛
・下肢のだるさ

【副訴】
・手指のこわばり

産後4か月で、特に赤ちゃんの抱き上げの時に腰痛を感じるとのこと。

産前はマッサージに行くと凝っていると言われることはあっても、自覚症状として腰痛は無く、ご妊娠中も出産の近い臨月になって感じることはあっても、これまで自覚症状として腰痛があったことはあまりなかったご様子。

 

症状の特徴

・どういう時に痛みを感じるのか?
→前かがみの姿勢の時に痛みを感じる
・痛みがない時はあるのか?
→決まった動きの時以外では痛くない
・鋭い痛みなのか?鈍い痛みなのか?
→ズキっとした痛みを感じるが、続かない
・痛みはどんどん悪化するようなものなのか?
→ずっと変わらない
・下肢への痺れなど併発している症状はないか?
→両下肢のだるさはあるものの痺れや神経症状はなく、腰痛の関連痛とは考えにくい


通常の腰痛に加え、産後は特に骨盤の状態も考慮して考察していきます。

産後の骨盤って?

よく、「産後の骨盤矯正」というものを見ますが、そもそもなぜこの時期に骨盤矯正が必要と考えられるのでしょうか?

それは、妊娠すると、安定期を迎えるころから骨盤は出産に向けてホルモンの影響により骨盤が動きやすくなると考えらえれているからです。
実際には、出産時の赤ちゃんの頭の大きさと骨盤にある産道(赤ちゃんが通る道)は同じ大きさの為、リラキシンという靭帯を緩めるホルモンが出されるようになります。これにより恥骨結合が緩みやすく、出産時には最大に広がります。

また、妊娠中には体幹を支える主要な腹筋などは赤ちゃんの成長とともに引き延ばされるため、出産方法によっても異なりますが、大体産後2か月くらいまでは腹筋はうまく使えない女性が多いと言われています。

産後は、
・骨盤周囲の関節は安定感がない
・腹筋などの筋力低下
・育児に多い前かがみの姿勢は腰への負担が大きい
などの理由から腰痛は生じやすくなります。

 

出産後~3か月頃までは骨盤底筋の正しいケアや骨盤ベルトを使用するなど、核家族世帯やワンオペが多い今の時代には妊娠出産で落ちてしまった筋力を戻すことや出産により傷ついた骨盤底筋の正しいケア、出来る予防をしていくことが、健やかな産後、育児のにはおすすめです。

 

東洋医学の観点から見た産後

女性のライフステージにおいて一大イベントとなる出産は、「気」「血」を大量に消耗すると言われています。

「気」は両親からそれぞれ子どもに受け継がれ、妊娠中は母親の「肝血」によって栄養を養います。

疲れやすい、めまい、立ちくらみ、母乳が出にくい、抜け毛、記憶力の低下などに加え、血の不足はメンタルにも影響するため、落ち込みやすいなどの影響も出やすく、気血を補う治療が必要となります。

また、生殖に関わる「腎」に関わるエネルギーも不足するため、腰痛や足腰に力が入りにくいなどの症状も出やすくなります。

出産では、根本的なエネルギー不足やそれによる巡りが滞りが起きやすいため心身共に様々な症状が出やすく、主訴だけでなく総合的に心身の症状を把握して治療ポイントを決めていくことが重要です。

 

治療ポイント

症状や産後の特徴から、今回の腰痛は出産直後の骨盤ケアはされているものの、出産後の筋力回復不足に加え、腰に負担のかかる姿勢を繰り返し行われていることや、赤ちゃんの成長とともに増える体重による負荷などが要因として考えられる為、

・患部の鎮痛、関連している筋肉の緊張の緩和
・痛みの出る姿勢を確認し、主要筋肉の筋力回復状況を鑑みた関節・筋肉へのアプローチ
・産前産後の体調を考慮した全身のバランスの調整

などを中心に治療にあたりました。

アフターカウンセリング/アフターケア

産後は、赤ちゃんの成長とともに支える体重の負荷や動きに変化が出るため、

・出産後の骨盤サポートグッズの使用状況
・尿漏れなど骨盤底筋の回復状況に合わせたペリネケア
・授乳やミルクを上げる際の姿勢
・抱っこ紐の着用姿勢
・ベビーベッドの使用の有無などおむつ替えの高さ

など、育児生活の中で腰痛を引き起こしてしまう要因がいくつかあるので、来院していない時間帯でいかに腰痛を回避するのか、という点について理解を深めるアフターケアの方が重要です。


施術後の効果として痛みは緩和されましたが、来院されている数時間よりも、帰宅されてからの多くの時間が健やかに過ごせることが大切ですので、産後はなかなかご自身の為の時間を作るのが難しいかと思いますが、お困りの際はぜひご相談ください ^^

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